2017年6月20日火曜日

蕪村の花いばら


 

 与謝蕪村の句に、ノイバラを詠ったものがあります。
     
     愁ひつつ岡にのぼれば花いばら
                  蕪村



 
 蕪村のいう花いばらとは、ノイバラのことです。

 この句を知ったとき、蕪村の感性が、とても身近に感じられました。
蕪村は詩人なのだと・・・。

 詩人の萩原朔太郎さんも「郷愁の詩人 与謝蕪村」という本の中で、蕪村の句には、センチメンタルなポエジイがあると書かれています。



  また、蕪村は、こんな句も作っています。

    花いばら故郷の路に似たるかな
                  蕪村




  蕪村は、摂津国(大阪)の生まれで本姓は、谷口、幼少の頃の詳細は
不明と、大岡信さんの本、「百人百句」には書かれていました。

 20歳のころに江戸に出たということですので、故郷に咲く花いばらは、
蕪村にとって郷愁を誘う花だったのかなあと、わたしには思われました。



 
 花いばらは、蕪村が生まれた懐かしい故郷の道にも、こぼれるように、
あちこちに咲いていたのでしょう・・。

 そんなことを思いながら、ノイバラの咲く道を散歩しました。
 ノイバラは小さいけれども可憐で、わたしの大好きな花です。











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