昨晩は、一晩中、雨と風が強かったのですが、今朝は
台風一過の良い天気になりました。
こんな朝は、野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ
と清少納言が書いた枕草子の言葉をいつも思い出してしまいます。
野分のまたの日というのは、台風一過の翌日のことで
まさにきょうのような日のことですが、強風で落ちた庭のヤマザクラの
葉が、庭のあちこちに散っていてすてきでした。
まだ昨晩の雨に濡れていて、朝日に照り映えていました。
この「野分のまたの日こそ」という段には、台風が荒らしていった
庭の様子を見ている17,8歳の女性が出てきます。
その女性がしんみりとした様子で外を眺めていて
「むべ山風を・・・・」などと口づさんでいる姿も
すてきと清少納言は、書いています。
「むべ山風を」というのは、古今集に出てくる文屋康秀の歌で
こんな歌です。
「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を
嵐といふらむ」
ひと吹き風が吹いたばっかりに、秋の草木がなびき伏すので
山風を嵐というのも、当然のことでしょうねというような意味でしょうか。
この女性とは、清少納言は自身のことを言っているのかもしれませんね。
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