大分古いのですが、1946年に英国の新聞、イヴニング・スタンダードに
掲載されたジョージ・オーウェルの「一杯のおいしい紅茶「というエッセイを
見つけました。
ジョージ・オーウェルは、TEAは英国の文明を支える大黒柱とも
いえると述べ、その紅茶の入れ方について彼の私見を述べています。
おいしい紅茶を入れるためには、まず絶対にゆずれない項目が
11もあるということですので、書き写してみました。
1・茶葉は、インドかセイロンであること。
2・紅茶をいれるポットは、陶磁器であること。
3・ポットはあらかじめ温めておくこと。
4・紅茶は、濃いことが肝心。
5・葉はじかにポットに入れること。
6・ポットの方を薬缶のそばに持っていくこと。(沸騰している温度を保つため)
7・紅茶が出来た後、かきまわすか、ポットをゆすること。
8・カップは、マグカップにする。
9・紅茶にいれるミルクから乳脂分を取り除くこと。
10・カップに紅茶をいれた後でミルクを入れる。
11・紅茶には、砂糖はいれないこと。
ざっと読んでも、わたしには、頷けることばかりですが、9のミルクについては、
英国では乳脂肪が特に濃いミルクがあり、瓶の上部に乳脂肪が、固まっていることが
あるので、そのことを言っているのだと思います。
7ですが、英国人の知人はいつもポットのふたを開けて、スプーンで茶葉を
かきまわしたり、ゆすっていました。
1946年といえば、TEAはまだ配給だったので、その貴重な茶葉でおいしく紅茶を
いれて飲みましょうというような意味もあり、このエッセイを書いたのでしょうか。
最近の英国の紅茶事情を調べてみましたら、英国で飲まれている紅茶の
97%は、ティーバックということですから、ジョージ・オーウェルが
生きていたら、びっくりすることと思います。
また、最近の英国人のほとんどが、マグカップで紅茶を飲むというのは、
彼の言っていることなのでOKだと思いますが、そのままTEABAGをカップに入れて
沸騰したお湯を注ぐという飲み方には、驚くと思います。
言っていますが、最近の英国の統計では、
家庭で飲むのは、紅茶が2でコーヒーが1、外では、紅茶が1でコーヒーが4
だそうですから、大黒柱も少し揺らいでいるような感じもしますが
どうなのでしょうね・・。
英国に長い間住んでいたわたしは、やはりストロングTEAが好きですが、
最近では、紅茶は、あたためたポットに、TEABAGを入れ、沸騰したお湯を入れて
TEACOSYをかぶせて3~5分おき、ミルクを入れて飲んでいます。
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