カレル・チャペックの書いた「園芸家12カ月」という本に、「アキノキリンソウ」が出てきます。「9月の園芸家」のところです。
チェコの作家のカレル・チャペックは、園芸も趣味だったようです。ユーモアのある文と、兄のヨゼフ・チャペックの挿絵が楽しい本です。
彼は、ナチのプラハ進駐の少し前の1938年にチェコで亡くなっているですが、兄のヨゼフは、1945年に強制収容所で亡くなっています。
カレル・チャペックの兄の運命のことを知ったとき、わたしがベルギーのアントワープに住んでいたころ、ベルギーの強制収容所の跡を訪ねたことを思い出しました。
第二次世界大戦のときに、ベルギーには強制収容所が2つあったということですが、そのひとつです。そこは、第一次世界大戦のときに作られた要塞のひとつを利用したもので、堀に囲まれたコンクリートの無機質の建物でした。
特に覚えているのは、荒れた殺風景のコンクリートの部屋の中の木のベットで、こんなところに収容されていたと思うと、たまらないほどぞっとした気持ちになるものでした。
その収容所の見学からしばらくの間は、ショックが続いたのですが、反戦のメッセージとして、あのような建物の保存の重要性をいまでも確かなものとして感じます。
この花を見る度に、最近は、カレル・チャペックの兄の運命のことや平和のことを考えてしまいます。
自己主張している秋の日本の野草です・・・。
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