4月に入り、散歩していると「ホーホケキョ」というお馴染みのウグイスの鳴き声が、聞こえるようになりました。のどかですてきなBGMです・・。
ウグイスの声が聞こえるようになると、ピンクの小さなかわいらしい「ミヤマウグイスカグラ」が、咲き始めます。初夏には、真っ赤な実をつけるのですが、甘いということです。
須賀敦子さんの書かれた「ユルスナールの靴」を、再読しました。以前にもこのブログにアップしているので、2度目です。
この本は、須賀さんの生前の最後の著作で、1996年10月に単行本として出されたようですが、わたしは、文庫本で読みました。
本の最初に、プロローグとして、「きっちり足に合った靴さえあれば、どこまでも歩いていけるはずだが、そういう靴に出会わなかったことを不幸に思い、生きてきたような気がする」という意味のことを、書かれています。
ですので、わたしには、須賀さんはこの本で、ご自分の足にきっちりと合った靴を探すため、ユルスナールの足跡をたどられたようにも思えてきます・・。
ユルスナールの著作のことを、「強靭な知性にささえられた、古典的な香気を放つ文体」と書かれ、長年、魅了されてきたとのことですから。
この本のあとがきで、須賀さんはこのように書かれています。
ユルスナールのあとについて歩くような文章を書いてみたい。
また、須賀さんが長い年月暮らされたヨーロッパとヨーロッパ人についての報告書でもあるとも・・。
そして、究極的には、作品をたのしみ、著者であるユルスナールに興味を持たれて、ユルスナールが晩年暮らしたマウント・デザート島にまで、足を運ばれているのでした。
須賀さんが、それほど魅了されたユルスナールですが、わたしもベルギーのアントワープに住んでいたときに、親しくなった知的な女性の大家さんから、ユルスナールの本の魅力について、教えていただいたことがあるのを思い出します。
彼女はとてもユルスナールを誇りに思っているようで、著作を是非読むようにと、強く薦めてくださったのでした。ユルスナールは1980年にフランスで女性初のアカデミー・フランセーズの会員に選ばれています。
須賀さんは、このようなヨーロッパの知性を代表するようなユルスナールの足跡を追うことにより、ご自分の文学を確立なさりたかったのかなと、いまはしみじみと思います・・・。
この本が最後の著作になってしまわれたのは、ほんとうに残念でなりません。
(ユルスナールがパートナーと住んだマウント・デザート島の家は、記念館になっていて、PCの公式画像でも見ることができ、緑に囲まれた真っ白のすてきな家でした。)
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