2026年4月3日金曜日

読書・「コルシア書店の仲間たち」須賀敦子著 文春文庫 (人生ほど、生きる疲れを癒してくれるものはない)

 


  冬鳥のシメが、数日前から我が家のエサ台に陣取っています。くりくりしたするどい目と、硬い実を割ることもできる口ばしでヒマワリの種をくわえ、まるで辺りをヘイゲイしているかのよう・・。

 シメがいると、いつも来ているシジューカラやヤマガラは、見かけなくなるのですが、もうすぐ、北のシベリア方面に戻っていくようです・・。



 久しぶりに、須賀敦子さんが書かれた「コルシア書店の仲間たち」を、読みました。須賀さんの本は、20年以上も前に、本好きの方におもしろいからと、教えていただいて読んだのですが、やはりわたしも好きになり、いまでは全集まで揃えているほどです。

 久しぶりに読む須賀さんの本は、やはりおもしろく、2日で読んでしまいました。

 解説を書かれている松山巌さんは、この本を読み終えたあと感動なさり涙がこぼれおちたということですが、彼の人生ともシンクロなさるものがあったから・・と想像しました。

 須賀さんは、ミラノのコルシア・ディ・セルヴィ書店で出会った人々の思い出を、ひとりひとり、魅力的に描かれていて、すてきです。

 最初は、「テレーサおばさま」と呼ばれていた書店のパトロンのような存在のツィア・テレーサ、そしてこの書店をはじめたダヴィデ・マリア・トゥロルド神父(詩人でもある)をはじめ書店の仲間や友人たち・・・その中には、須賀さんが結婚なさったペッピーノさんもいました。

 須賀さんは、二十代から三十代にかけて、カトリック左派の共同体を仲間といっしょに夢みたこのコルシア書店の物語を、帰国なさった30年後に書かれているのでした・・。


 「人生ほど、生きる疲れを癒してくれるものはない・・・」本の帯に書いてある言葉です。

 生きることに疲れたとき、その疲れを癒してくれるのもまた、「人生」という意味でしょうか・・。

 須賀さんは、この物語の最後をこんな言葉で締めくくられています。

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 若い日に思い描いたコルシア・ディ・セルヴィ書店を徐々に失うことによって、私たちはすこしずつ、孤独が、かつて私たちを恐れさせたような荒野でないことを知ったように思う。

・-・-・-・         引用232p





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