2014年9月23日火曜日

彼岸花と山頭火の句




 きょう9月23日は、秋分の日です。20日が彼岸入りでしたから、やはりちょうど
彼岸のころに、この花が咲くのだなあと再認識しました。午後の散歩のときに見た、ヒガンバナです。




   山頭火は、ヒガンバナの句をたくさん作っています。

  ちくま文庫の「山頭火句集」を、開いてみましたら、こんなに彼岸花の句がありました。

        ☆歩きつづける彼岸花咲きつづける    山頭火   
        
        ☆うつりきてお彼岸花の花ざかり     山頭火    
        
        ☆お彼岸のお彼岸花をみほとけに      山頭火
        
        ☆彼岸花さくふるさとはお墓のあるばかり   山頭火

        ☆なかなか死ねない彼岸花咲く        山頭火
                         




  ほかにも、山頭火はこんな句も作っていますが、こちらは、曼殊沙華になっています。

         ☆曼珠沙華咲いてここが私の寝るところ     山頭火

         ☆いつまで生きる曼珠沙華咲きだした      山頭火

         

    
     数年前、永平寺に行ったことがあります。

   山頭火は、永平寺も訪ねていて、そこでこんな句も作っていました。永平寺の門前に句碑が作られていて、いい句だなあと思ったのを覚えているのですが、永平寺三句として、ちくま文庫の「山頭火句集」にも出ていました。
     彼岸花の句ではないのですが、心が静かになるようで好きな句です。


          ☆水音のたえずして御仏とあり      山頭火
          
          ☆てふてふひらひらいらかをこえた     山頭火

          ☆法堂(はっとう)あけはなつ明けはなれてゐる   山頭火

                             
  山頭火は、木の花よりも、草花が好きで、西洋種よりも、野草が好き。そして春の花よりは、秋の花が好きということですから、彼岸花もきっとお好きだったのだと思います。





 山頭火の念願はふたつあり、
         そのひとつは、ほんとうの自分の句を作ること。
                     もうひとつは、ころり往生。

   とエッセイに書かれていたのですが、そのふたつともに、
                山頭火の念願は叶えられたようです・・・。



     


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