2018年12月8日土曜日

日本人のこころ・「東山魁夷展」




 国立新美術館で開催されていた「東山魁夷展」に最終日の前日の12月2日に行ってきました。




 今回は、唐招提寺御影堂障壁画が、再現展示されるということで、とても楽しみでしたが、やはり、期待通りにすばらしいものでした。特に御影堂の上段の間に描かれた「山雲」の山の木々と雲のたたずまいが、ドキッとしてしまうほどすてきでした。




 東山魁夷は、学生時代から好きな画家でした。日本の風景をシンプルにしかも奥深く表現していることに惹かれたからでした。彼の講演や随想を書いた本「日本の美を求めて」は、大分以前に買った本ですが、今回読み直してみると、「まえがき」にこの本を書いたのは、ちょうど、唐招提寺御影堂の上段の間、寝殿の間の障壁画を完成させた昭和50年のものであると、書かれていました。




 わたしが感動した「山雲」についても、書かれていました。彼は、「山雲」はほとんど墨絵の色調で描いたもので、日本の自然のもつ幽玄さを表したかったということです。
 




 彼は、美術学校を卒業してからに2年間ドイツに留学、戦争や肉親の死などの試練をへて、戦後の昭和22年1947年に「残照」で、彼の芸術へとたどりつきます。その後は、日本の風景に日本の心を求めて作品を残しました。




  彼はこの本の中で、風景についてこんな風に述べています。
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  風景は心の鏡である。庭はその家に住む人の心を最も良く表すものであり、山林にも田園にもそこに住む人々の心が映し出されている。河も海も同じである。その国の風景はその国民の心を象徴すると言えよう。
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       引用 「日本の美を求めて」東山魁夷著 16p

 わたしもまったくそう思います。
 彼は、日本の風景の中に日本人の心を求め、それを画という芸術でわたしたちに残してくれたのでした・・・。
 




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