庭の片隅に、フタリシズカがひっそりと咲いているのを、見つけました。
フタリシズカという名前は、義経の恋人だった静御前に由来していると覚えているのですが、義経を恋しく思いながら舞う白拍子だった静御前とは、どんな女性だったのかなあと、いつも想像してしまいます・・。
能の演目の「二人静」は、同じ白拍子姿の二人が、舞を舞うので、この植物の名前は、そこから来ているようにも思え、手持ちの本で調べてみました。
「野草の名前」という高橋勝雄さんが書かれた本ですが、春・夏・秋と、3冊あり、「フタリシズカ」の名前の由来は、春の巻に出ていました。
「野草の名前」という高橋勝雄さんが書かれた本ですが、春・夏・秋と、3冊あり、「フタリシズカ」の名前の由来は、春の巻に出ていました。
高橋さんによれば、この名前は、やはり能の「二人静」に由来しており、静御前の亡霊がとりついた菜摘女(なつみおんな)と、静の亡霊がまったく同じ姿で舞うということが、名前をつけた本草学者の記憶にあったからなのではと推察なさっています。
そして、静は白拍子という男装の踊り子だったので、美しい女性に違いないが、静の亡霊がこの花になってあらわれたのであれば、花は美しくなくともよい。
とのこと・・・。
花穂は、2本、3本、1本といろいろあるが、この曖昧さも亡霊がとりついた花であれば、納得できる。と書かれていました。
植物専門家の高橋さんは、この花のことを美しいとは書かれていませんが、わたしには楚々としたゆかしい花のように見えて、好きな花です・・。
花穂が、1本だけのものは、なぜか凛とした佇まいに見えました。
3本のものも見たことがあるのですが、やはり花穂が2本のものが多いようです。
そういえば、「二人静」という名前の干菓子を手土産としていただいたことがありました。
紅白の丸い干菓子が、白い和紙で大事に包まれて、中に入っていました。この紅白は、それぞれ分かれて半円になっているのですが、和三盆で作られたとても上品な味で、おしゃれな干菓子だなあと思ったのを、覚えています。
この和菓子の箱の中に中村汀女さんの、こんな句が入っていたのを思い出します。
この和菓子の箱の中に中村汀女さんの、こんな句が入っていたのを思い出します。
「忘れざり花にも二人静あり」 中村汀女
わたしの場合は、汀女さんの反対で、 「忘れざり菓子にも二人静あり」
と、庭に咲く「フタリシズカ」を見ながらつぶやいたのでした・・・。
中村汀女さんも、この「フタリシズカ」の花をお好きだったのだと、思いました。