2018年2月12日月曜日

室生犀星の雪




 最近、室生犀星の本や詩集を、読み直しています。
 室生犀星は、「私は抒情詩を愛する」と言っていますが、わたしも彼の抒情詩は、とても好きです。

 

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      雪くる前
                 室生犀星

ひちすぢに逢ひたさの迫りて
酢のごとく烈しきもの
胸ふかく走りすぐるときなり。
雪くると呼ばはるこゑす
はやも白くはなりし屋根の上。
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         引用 「愛の詩集」 室生犀星 角川文庫 90pより





 雪の降り始めの情景と、彼の切ない想いが伝わってくるような詩ですね。

 この詩は、彼が20代の後半で結婚した翌年に発表されているのですが、後年には、こんな雪の句も残されています。




 ゆきふるといひしばかりの人しづか
                    室生犀星


 彼の妻のとみ子さんは、人生の後半に長年病床で過ごされていたようなので、彼女のことを詠われたのでしょうか・・。



 
 窓の外は、今の時間は、ふわふわと風に舞っている風花のような雪になっています。

 犀星の故郷は、金沢ですから、今頃はやはり、真っ白な雪景色が広がっているのでしょうね・・・。







 
  



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