「失われた時を求めて」11囚われの女Ⅱ プルースト作・吉川一義訳・岩波文庫
を、読みました。
この巻で一番印象に残ったのは、154pと、155pのプルーストの旅についての彼独特の考察です。彼は旅について、このように書いていますので引用してみます。
「ただひとつ正真正銘の旅、若返りのための唯一の水浴は、新たな風景を求めて旅立つことではなく、ほかの多くの目を持つこと、ひとりの他者の目で、いや数多くの他者の目で世界を見ること、それぞれの他者が見ている数多くの世界、その他者が構成している数多くの世界を見ることであろう。」
引用 「失われた時を求めて」11囚われの女Ⅱ プルースト作 吉川一義訳 岩波文庫 154p~155p
プルーストのこの旅についての考察は、プルーストの名言としてもよく知られているのですが、わたしもこの考えには全く同感です。
「ただひとつの正真正銘の旅は、新たな風景を求めて旅立つことではなく、ほかの多くの目を持つこと・・」 なのですね。
上の風景の写真は、昨日の5月29日、散歩のときに写したものです。5月の軽やかな風にのって、大好きなカッコーの鳴き声が、高原に響いていました。いつもの見慣れた風景でしたが、なぜか、心にしみました・・・。
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