2016年5月16日月曜日

まぼろしの桜山



 平泉に行ってきました。
 
 下の写真は、平泉の高館義経堂(たかだちぎけいどう)から見た
束稲山(たばしねやま)と北上川の眺めです。




  この束稲山には、安倍頼時の時代に桜の木を1万本
植えたと言われていますので桜の季節には、さぞ見事だった
と思います。

西行は平泉を2度訪ねているのですが、この束稲山の
桜を詠った歌が残っています。

☆ききもせずたばしね山のさくら花
       よしののほかにかかるべしとは
                      西行

 その後山火事があり桜は焼けてしまったということ
ですが、当時は西行も驚くほどの全山の桜だったのでしょう。





 西行が2度目に平泉を訪ねたのは、1186年で
東大寺料勧進のためでしたが、その3年後の1189年に
義経は泰衡に討たれ奥州藤原氏も滅亡してしまいます。


 江戸時代には芭蕉がここを訪ねてあの有名な俳句を
残しています。

☆夏草や兵どもが夢の跡
                                     松尾芭蕉


わたしも芭蕉と同じ高館に立って束稲山と北上川の
流れを見ていますと、藤原氏の栄華の時代や、義経のことなど
さまざまなことが、夢のように思われました。

 それにしても、藤原氏の栄華の時代には、あの束稲山には、
全山に桜が咲き誇っていたというのも、夢のようです。




 岩手の空は、から~んと晴れていて透明で、わたしの
好きな透明な水色でした。

 












 
 
 




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