昨晩は雨が降ったらしく、しっとりとした
さわやかな空気の中散歩していましたら、
フタリシズカが、咲いているのを見つけました。
フタリシズカとは、床しい名前ですが、 この名前の由来は、
あの源義経の愛人だった静御前からのようです。
能の演目に「二人静」というのがあるのですが、それは
こんな話しです。
大和国の勝手明神の神主が、正月七日の御神事に使う
若菜を摘みに行くようにと菜摘女に命じます。
菜摘女が、菜摘川に着くと、女がやってきて、自分の霊を
弔って欲しいと頼み、その女は菜摘女にとりつきました。
菜摘女が神社に帰りそのことを神主に話しますと、途中で
菜摘み女はとりついた女に豹変しました。
神主が名前を尋ねると、静御前と名乗りさまよっている
自分の霊を弔って欲しいと頼むのです。
神主は本当に静御前なら舞いを舞って見せてくれというと
女は、以前に奉納した舞いの装束を出してもらい、装束に
着替え、その静御前の霊は菜摘女と二人で、静かに
舞い始めるのでした。
この能の中で二人が舞う姿を、この花の白い二本の花穂に
見立てたようです。
「フタリシズカ」を見ると、静御前の白拍子姿や、哀しい彼女の
人生をいつも思い浮かべてしまいます。
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