2018年3月27日火曜日

万葉集の花・アセビ




 アセビが、咲き始めました。
 この花を見ると、いつも万葉集に出てくる歌を思い出します。





 それは、大来皇女(おおくのひめみこ)のこんな歌です。

磯の上に生(お)ふる馬酔木(アシビ)を手折らめど
         見すべき君がありと言はなくに
                       大来皇女(巻二 一六六)

 これは、大来皇女が、政権争いの犠牲になった亡き弟の大津皇子をしのんで作ったもので、馬酔木の花をいっしょに愛でたいと思っても、もうあなたはいない・・という哀しい歌です。
 




 
 万葉集を研究なさっている大西進さんによれば、万葉のころの人々は、白くて小さい花が好きだったということです。

 ですので、このアセビなどは、好みにぴったりの花だったのでしょうね。実は わたしも若いころは白い花・小さな花が大好きでしたので、花の好みは万葉人と同じだったのかもしれないと苦笑してしまいました。

 そしてさらに、この白くて小さいという好みは万葉の初期のころのことで、末期になると、紫色系統に変わっていくというところでも、思わずにやりでした。最近はすみれなども好きだからです。



  アセビの花の蜜を吸いに、目が覚めるようなブルーの蝶が来ていました。うちの近くに自生のアセビの古木がたくさんある場所があるのですが、その古木にとまっていました。







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