2014年7月3日木曜日

光野桃さんの本



 光野桃さんの本に最初に出会ったのは、「おしゃれの視線」という文庫本でした。



 その中の「パリの女・ミラノの女」という章は、いつ読んでみてもそうだよねと思います。彼女からは、洗練されたミラノの大人の女性の魅力を教えていただいたような気がします。

 「光野桃ソウルコレクション」には、ソフィア・ローレンのことが出てきます。光野さんは、ソフィア・ローレンのことを思うとき、塩味のパンを思い出すと、書かれています。イタリアの固いパン、外の固い皮の中には、柔らかな白いところがあり、かみしめると涙の味がするというのです。

 女の魅力は「憂い」で、それがソフィア・ローレンの魅力!光野さんの表現は、上手いですよね。さすがと思いました。

 ソフィア・ローレンは、わたしもファンですが、彼女の演じるイタリア女性を見ていると、やはり「憂い」が、感じられると思います。実は、わたしはソフィアに会ったことがあるのです。

 昔、ロンドンに住んでいた頃、セルフリッジというデパートの本売場で、彼女の料理本の出版記念のサイン会をしていたのです。彼女は、料理も得意で料理の本まで出していたのです。

 ソフィア・ローレンは、鮮やかなブルーのシンプルなブラース姿で椅子にかけ、オーラを放っていらっしゃいました。あのお姿は、いまでもはっきりと思い出されます。そのときに買った料理の本は、もうなくしてしまったのですが、きゅうりと、カニのマヨーネーズあえのサラダだけ、覚えています。パーティ用にもおすすめということでした。

 光野桃さんは、最近は、エッセイから小説へとシフトなさっているようですが、わたしはやはり、最初の頃のいきいきとなさった感性で書かれたエッセイが好きです。                                





                    
                     
                 

























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