2014年6月30日月曜日

プルーストの花・アジサイ



 アジサイの花は、プルーストの「失われた時を求めて」の、スワン家の方への1に出てきます。

   
                  
  話者の父の友人であるルグランダンが、雲をアジサイの花にたとえているこんな箇所です。
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 それからあの小さなバラ色の雲は、あれも花のような色合いじゃありませんか?カーネーションか、さもなければ紫陽花といったところですね。
           
       「失われた時を求めて1」スワン家の方へ1
             マルセル・プルースト 鈴木道彦訳
              集英社文庫ヘリテージシリーズ281p  引用
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 夕方のバラ色の雲の色を、カーネーションやアジサイの花にたとえたプルーストは、さすがにすてきな感性の持ち主だと思いました。



                           
               バラ色の雲のようなアジサイ(写真を重ねてみました)                    


 山渓カラー名鑑「日本の樹木」によれば、ヨーロッパに日本産のアジサイが入ったのは中国からで、1790年にジョセフ・バンクスがロンドンのキュー植物園に持ち込んだと書いてありますので、プルーストの時代にはもうフランスにも広まっていたのでしょうね。
 
 

                       紫とバラ色のアジサイ

 わたしが、アジサイの花で、とても印象に残っているのは、映画の「ヴェニスに死す」の中に出てきた、大きな鉢植えのアジサイの花です。ヴェニスのおしゃれなホテルのインテリアとして、このアジサイの鉢植えは、すてきな存在感を出していました。

 あの時代には、ヨーロッパではめずらしいおしゃれな花として人気があったのかなと思いました。アジサイは、いろいろな色があるのですが、白も気品を感じて、好きな色です・・。



                       

 





 

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