2019年3月17日日曜日

和歌・「心にもあらぬわかれの名残りかは・・・・」            (夢のような春の淡雪の光景・・・)  




 先日の3月14日に降った春の淡雪です。



 春の雪はすぐに融けてしまうので、あわてて朝の9時頃に公園に行って写したのですが、やはり日中の晴天で気温がぐんぐん上がり、夕方にはほとんど消えていました。




 消えてしまうのが惜しいほどのきれいな雪景色だったのですが、そういえば、春の雪を詠った定家のこんな歌がありました。

    「心にもあらぬわかれの名残りかは
          消えてもをしき春の雪かな」
                        藤原定家




 春の雪は消えてしまうのが惜しいと、やはり誰でも思うということなのでしょうが、定家は、本意ではない別れのことを、春の淡雪にたとえています。



 やがて、消えてしまう夢のような春の淡雪ですが、束の間のすてきな光景にしばらくの間、見惚れてしまったのでした・・。

  「心にもあらぬわかれの名残りかは
             消えてもをしき春の雪かな」  藤原定家
 







2019年3月8日金曜日

読書・「日本の花」柳宗民著 ちくま新書     (雨の日に椿を見に・・・)




 先日の雨の日に、久し振りに友人に会ってランチをしてきました。
 いっしょに散歩した椿山荘では、雨に濡れて一段とあでやかになった椿を見ることができてラッキーでした。




   ところで、先日読んだ本(日本の花・柳宗民著・ちくま新書)に、椿の話しが書いてありました。

 柳さんによれば、椿(つばき)という字は、実は国字で、春に咲く木なので木偏に春で椿(つばき)と読むようになったということです。

 ちなみに「国字」とは、辞林で調べてみましたら、「日本で漢字の構成法にならって作られた文字のこと」と、書かれていました。
 


 
  漢字の椿は、中国読みでは、チンと読み、実は中国では、日本のツバキとはまったく違うチャンチン(香椿)という落葉樹のことを指すのだとか。

 ですから、柳さんは、ツバキの木がいっぱいある椿山荘は、ツバキヤマソウと読むのが正しいのではとも書かれていました。

 

 
  3月の雨に濡れている椿を見ながらの散歩でしたが、雨の日の椿も、とても魅力的でした。
  赤い椿の花言葉は、「控えめなすばらしさ」「謙虚な美徳」だとか。



     三重塔の近くの桜は、カワズザクラでしょうか、ちょうど見頃でした。





2019年3月7日木曜日

公開セミナー・新訳でプルーストを読破する第10回「失われた時を求めて10」「囚われの女Ⅰ」




 3月2日、立教大学で開催されたセミナー、「新訳でプルーストを読破する第10回」「囚われの女Ⅰ」に参加してきました。季節はもう春めいており、立教大学構内では、椿がきれいでした。
          


 
 今回、読んだのは、「失われた時を求めて10」囚われの女Ⅰ 吉川一義訳 岩波文庫でしたが、講師は、プルースト研究家の小黒昌文さんで、彼によれば、プルースト的一言は、「響きあうしるし」とのこと・・。

 この小説を読んでいると、たとえば「カモメ」や「睡蓮」などの言葉が、「響きあうしるし」になっているというのが、彼の論考でした。




 わたしも響き合うしるしを見つけてみると、「海」がありました。

 アルベルチーヌの切れ長の青い目が液体化したように見え、彼女が目を閉じるとカーテンが閉まって「海」が見えなくなるような気がした。(41p)

 アルベルチーヌの中に息づいていたのは午後の終わりの海だけではなく、ときには月夜の砂浜にまどろむ「海」でもあった。(149p)




  海はフランス語では、「ラ・メール」で女性ですから、アルベルチーヌを海にたとえるのは、ふさわしいのかもしれません。
  それにしても、アルベルチーヌの青い目を海にたとえ、彼女が目を閉じるとカーテンが閉まって海が見えなくなるような気がしたというフレーズは、すてきです!!!




 
 この巻でのわたしの好きな1ページは、419pの2行から4行でした。

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「ベルゴットは埋葬されたが、葬儀の夜、ひと晩じゅう明かりの灯った本屋のショーウインドーに、その本が翼を広げた天使のように三冊ずつ飾られて、通夜をしているのが、もはやこの世にいない人にとって復活の象徴となっているように思われた。」
   ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
      引用 失われた時を求めて10囚われの女Ⅰ プルースト作 吉川一義訳 419p

 


 ベルゴットという作家の書いた本は、彼が亡くなっても芸術作品として永遠に残るという暗示ですが、これはプルーストも自身のことを意識して書いたのだと思えてなりません・・。

 この世に自分(プルースト)が生まれてきたのは、芸術作品としての本を書く仕事を成し遂げるためと自分に言い聞かせ、あの晩年の昼夜を逆にして、音を遮断するために、コルクを貼った部屋で、苦行僧のように書き続けたのだと思ったのでした・・・。



2019年2月26日火曜日

短歌・「おほかたの枯葉は枝に残りつつ・・・」   (春の使者、マンサクの花・・)





  散歩の途中に 裸の木々をよく見ると、マンサクがもう咲いていました。去年の実の下につつましく黄色のリボンを広げていました。





    美智子皇后が作られた短歌に、マンサクを歌われたものがあります。

      おほかたの枯葉は枝に残りつつ
            今日まんさくの花ひとつ咲く





 まだ、咲き始めのこの季節のマンサクを歌われているのですが、やさしいお人柄がしのばれるようで好きな短歌です。




 マンサクという名前の由来はご存じのように、山では春に「まず咲く」という言葉がなまって「マンサク」になったという説と、もうひとつ

 黄色の花がいっぱい咲くので「豊年満作」の「マンサク」からきたという説があるようですね。わたしは「まず咲く」がなまって「まんず咲く」そして「マンサク」になったという説の方が何となく好きです。

 北国の方の春をよろこぶ気持ちが感じられるから・・。




 わたしが毎年楽しみに咲くのを待ついつもの定点観測のようなマンサクの木です。コナラの木々に紛れていました。

 今年もやってきてくれた春の使者です!!!





2019年2月25日月曜日

読書・「ドナルド・キーンさんの思い出の本たち・・」   (キーンさんのサイン本も・・)



 2019年2月24日、日本文学研究者のドナルド・キーンさん(96歳)が都内の病院で亡くなられました。キーンさんのファンでしたので、とても残念に思います。
     



  梅の花夢(いめ)に語らくみやびたる花と我思(あれも)ふ酒に浮かべこそ
 
    The plum blossoms
                Addressed me in a dream:
                ``We consider ourselves
                Most elegant flowers-
                Please let us float on sake.``
          
  これは万葉集の歌をキーンさんが英訳なさったものですが、日本文学の歴史1という本の中に出てきます。

 キーンさんの英訳の歌は、日本語で読むよりも、さらにわかりやすく簡潔で、彼のファンになるきっかけにもなりました。




 数年前ですが、キーンさんの講演会が、神楽坂の「ラカグ」で開催されたときに、聴きに行ったことがあります。そのときに三島由紀夫さんとの交流のお話しなどをお聞きしたのですが、キーンさんの飾らない人柄が身近に感じられたのを懐かしく思い出します。




キーンさんは自伝にも書かれているのですが、キーンさんが日本文学に興味を持たれたのは、源氏物語の英訳の本をバーゲンで買われたのがきっかけだそうです。
 バーゲンでとおっしゃるのが、キーンさんのユーモアのあるところで、キーンさんと交流のある方の書かれた文を読んでいますと、必ずこのユーモアというキイワードにぶつかります。


キーンさんに書いていただいたサイン!

 オペラやワイン、そして本屋さんもお好きだったというキーンさん。あの東日本大震災をきっかけに日本人になられたキーンさんは、息子さんと都内で暮らされていたのですが、わたしには、お幸せな晩年だったようにも思えます。
 
 キーンさんのご冥福をお祈りしつつ・・・。







 




 

2019年2月21日木曜日

植物・「ザゼンソウ」   (不思議な形の花・・・)




 不思議な形の花・ザゼンソウを見に行ってきました。
 花の形を座禅を組んだ達磨大師に見立てた名前ということですが、最初に見たときには
びっくりしました。ダルマソウともいうようです。




 以前に見たときには、もう黄緑色の円心形の葉がいっぱい出ていて、ミズバショウと同じに、葉よりも先に花が出て咲くのだということがわかりました。
 ザゼンソウもミズバショウも同じサトイモ科の植物で湿地を好むようです。




 このザゼンソウの群生地は、関東地方の大田原市にあるのですが、市の指定天然記念物に指定されていて、保護されて大事に守られています。
 本州中部から北の湿地に生え、ザゼンソウの仲間は世界に3種類でそのうちの2種が日本ということですので、大事にしたい花ですね!!!




 この群生地の横には、小川が流れているのですが、水が透き通るほどきれい・・。





 この清らかな水の流れる小川を見ていると、春が来ているのだと、感じます。
 小川のほとりの若草も、やわらかそう。
 ホトケノザやオオイヌノフグリも咲いていました。




 それにしても、花を大事にくるんでいるような仏炎苞(ぶつえんほう)を見ていると、何か意味があるのかしらと思ってしまいます。
 ザゼンソウ・・・・・ほんとうに不思議な形の花ですね。



2019年2月19日火曜日

植物・「クリスマスローズ」




 2月は、クリスマスローズの咲く季節です。
 クリスマスローズを見に、コピスガーデンに行ってきたのですが、なぜか3羽のアヒルに3回、出会ってきました。



 冬日のさす窓のとなりの窓で見つけた3羽のアヒル・・・




 冬枯れの芝生で遊んでいた3羽のアヒルくんたち・・・




池のほとりを歩いているように見えたかわいい3羽の親子のアヒルの飾り物・・・



 
 2月は花のない季節ですが、あたたかな陽ざしをあびて咲くクリスマスローズを見ていると、なぜかこころまで、あたたかくなるようでした・・。